海面に芽吹く四つ葉? カラカサクラゲの特徴と魅力について

メイン写真引用元:春夏秋冬 水生生物雑記帳 より

新年度に入り、お忙しい方も多いのではないでしょうか。
みなさんお体ご自愛くださいね。
クラゲたちはそんなこと関係なく毎日を過ごしており、いいなぁ…と思ったり。

さて今回ご紹介するのはカラカサクラゲLiriope tetraphyllaです
カラカサクラゲClass:ヒドロ虫綱

Order:硬クラゲ目

Family:オオカラカサクラゲ科

Genus:カラカサクラゲ属

※左のカラカサクラゲは、寒天封入したものです。

 

 

本サイトにて硬クラゲ目のクラゲは初登場ですが、
これらの大きな特徴として「ポリプ世代がない」ことが挙げられます。
つまり受精卵がそのまま稚クラゲへと成長するわけです。
(他の生物だとこれが普通ですが、クラゲだと異質に感じますね)
多くの種がが外洋・深海に生息しているため、
沿岸調査がメインな方々からするとレアキャラ揃いです|д゚)

しかし、その中で全然レアじゃないのがいます。
そう。このカラカサクラゲです笑
湘南沿岸では9~11月にかけて、傘径数mmから30 mmほどの個体が多く採集できます。
潮の流れで集まる場所には、海面から傘が突き出てぽこぽこと波打つ様子もみられます♪

形態学的特徴としては 、キャプチャ2写真引用元:春夏秋冬 水生生物雑記帳 より

・4本の放射管と生殖巣
・長い4本の触手(下向き)と短い4本の触手(上向き)
・触手の基部に膨らみがない
・発達した口柄支持柄とその先の4つの口唇

名前のとおり「唐傘」に似た特徴的な形をしています
よって大型の固体であれば同定は簡単ですが……

カラカサクラゲ 稚クラゲ
稚クラゲの頃は上記の特徴にほとんど当てはまらない形をしています 。
特に「唐傘の柄」にあたる部分はこれから伸長してくるので注意!!
触手瘤が特徴的なのでこれを目印にすると良いかもしれませんね♪

※補足事項

刺胞瘤:傘と触手の付け根に存在する刺胞細胞が密集した瘤状の組織の事

なおこのカラカサクラゲですが、ヒドロ虫綱のクラゲの中では刺胞が強いように感じます。
大型の固体ともなると稚仔魚を捕食する姿も見受けられるので、
中々強力な貫通刺胞を持ち合わせているのかも。
実際、手で触った際にぴりぴりとしたことがあります。ヒドロ虫と思ってなめてました…

また属名のLiriopeは植物の「ヤブラン」種小名のtetraphyllaは「四葉」を意味します。

四つ葉
口柄を花に,触手を葉に見立てて名付けられたのでしょうか。
少し紫がかった個体が多いのでわからなくもないような??

個人的にはやはり口の長さが気になるので、「ゾウクラゲ」とか名付けたかったり…。

それではまた次の投稿でお会いしましょう( *´艸`)♪

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