冬の暴君 キタミズクラゲの特徴と魅力について

2016年も残り僅かとなりましたね♪今年はこれが最後の投稿となります!!
本日はキタミズクラゲ(Aurelia limbata)の紹介です!!

Claurelia-limbataass:鉢虫綱

Order:旗口クラゲ目

Family:ミズクラゲ科

Subfamily:ミズクラゲ亜科

Genus:ミズクラゲ属

 

 

出現域は東北沿岸から北海道太平洋 沿岸、日本海北部、オホーツク海、
ベーリング海まで出現が確認されているクラゲです。
大きさは大型のもので25cmにも達する大型の部類に入るクラゲです。

ミズクラゲと見た目が似ていますが、

・生殖腺・傘の縁が黄褐色
・水管系が複雑な網目状

と言ったミズクラゲとは異なる特徴があります。
引用元:三宅 裕志・Dhugal Lindsay(2013)最新クラゲ図鑑 110種のクラゲの不思議な生態

 

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以前の記事でも大量発生ストロビレーションについて記事を上げましたが、
このキタミズクラゲにおいても東北を中心に被害が報告されています。

平成23年には事業対象有害生物に指定され、岩手県水産技術センターによって定期的な調査が行われていました。特に定置網や漁網への負担は著しく、大きな漁業被害を与えてきました。

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引用元:(左上画像)平成 25 年度第 2 回キタミズクラゲ出現情報 岩手県水産技術センター
(下画像)キタミズクラゲの生態 http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/pdf/kitamizukurage.pdf

しかし、近年では大量発生というほどの量は報告されていないらしく、
寧ろ全くと言って良い程に確認されなくなった場所もあるそうです。
漁師さん達にとっては嬉しい事ですが、その理由が不明なのが気になる所です…。
全く。何処にいったのやら…|д゚)。

しかしこのキタミズクラゲ、近年JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)による調査により、深海(水深200以深)にも多数出現していることが分かってきています!!

scyphomedusa-aurelia-limbata-brandt-1838-found-in-deep-waters-off-kushiro-hokkaido-northern-japan-fig-3

scyphomedusa-aurelia-limbata-brandt-1838-found-in-deep-waters-off-kushiro-hokkaido-northern-japan-fig-4引用元:Hiroshi Miyake., Dhugal J. Lindsay., James C. Hunt & Tomonori Hamatsu. (2002) Scyphomedusa Aurelia limbata (Brandt, 1838) found in deep waters off Kushiro, Hokkaido, Northern Japan Plankton Biol. Ecol. 49 (1): 44-46,2002

 

しかも、深海映像・画像アーカイブス(J-EDI)によると弱って沈んでしまったキタミズクラゲがクモヒトデ類に捕食されている姿も確認されており、深海ではキタミズクラゲが貴重な資源となっている事が伺えます。

※今回話したキタミズクラゲに関する映像は以下のURLより見る事が出来ますので、
是非ご覧になって見て下さい!(URLクリック→キタミズクラゲと検索!!)

URL: http://www.godac.jamstec.go.jp/jedi/shot_search_main.jsf

もしかすると彼らの生息域は深海が中心なのかもしれませんね。
それが湧昇流等によって、一時的に表層に大量に出現していたとか…。
深海で撮影された個体群が何処からきているのか、気になるところですね( *´艸`)

2016年度のクラゲ屋、如何だったでしょうか?
来年度も面白い記事を更新していけたらと思いますので、ご声援の程宜しくお願い致します。

それではまた次の記事でお会いしましょう♪

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