こんにちは( *´艸`)
だいぶ肌寒い季節になってきましたね。皆さん、お体には気を付けてくださいね(;´・ω・)
今日はベニクラゲ(Turritopsis spp.)について紹介します!!
Class:ヒドロ虫綱
Order:花クラゲ目
Family:ベニクラゲモドキ科
Genus:ベニクラゲ属
※今回学名にspp. としているのは二ホンベニクラゲ(南日本型ベニクラゲ)、ベニクラゲ(北日本型)、チチュウカイベニクラゲの以上三種をまとめてベニクラゲと言っているためとなります。
皆さんは「ベニクラゲ」というクラゲをご存知でしょうか?
1991年にこのクラゲはイタリアの学会にて「ある特性」を持っていることが発表され、一躍有名になりました。
それは・・・
「このクラゲは死にかけるとポリプに戻る。つまり、若返りの特性を持っている!!」
「まさに不老不死のクラゲだ!!」
この時の場に立ち会えた人はさぞ興奮したでしょうね~(●´ω`●)
日本においては京都大学フィールド科学教育研究センターの久保田信准教授を中心に研究が行われており、現在もなお研究が進められています。
今回は久保田信准教授により解明された成果にも触れながら魅力をお伝え出来ればと思います。
そもそも皆さんは何故このベニクラゲが不老不死と呼ばれるのかご存知でしょうか?
皆さんもご存知の通り、クラゲは着底生活と浮遊生活を繰り返しています。
皆さんが水族館などで見る姿はこの浮遊生活時に当たりますね。
※この辺りの詳しい記事は下をcheck!!
→クラゲの特徴[鉢虫綱]
→クラゲの特徴[ヒドロ虫綱]
ベニクラゲはこの浮遊生活の時期に再生困難であるほどのダメージを受けると、一定の確立にて、肉団子のような状態を経て必要な細胞のみが「若返り」、着底生活を送るときの姿であるポリプの姿に戻ると言うことです。
久保田先生は過去に最高で10回もの若返りに成功させたそうです!!
同じクラゲを死なせない久保田先生の飼育技術もすごいですが、死なずに若返るベニクラゲも凄いですね笑
しかし先程も書いた通り、この若返りはどのベニクラゲにおいても起こるわけでは無いそうです。
最新の研究成果に寄りますと、
① 老衰したベニクラゲ(受精卵を形成出来なくなった個体)は、完全な若返りを起こせる確率が低下する。
引用元:久保田 信. 2015 老衰した二ホンベニクラゲ(ヒドロ虫綱,花クラゲ目)の若返り
② 南日本型・北日本型だと南日本型のベニクラゲの方が若返り率が高い。
引用元:久保田 信. 2013 日本産3種のベニクラゲ(ヒドロ虫綱,花クラゲ目)の若返り率の相違
左が北日本型、右が南日本型。大きな特徴として色の違い、触手の本数が異なりますね。
つまり、「南日本型の若い個体が、最も若返りを成功させやすい」!!
しかし残念ながら不老不死のメカニズムに関しては殆どがまだ謎のままらしいです。
ただクラゲと人類の遺伝子構成は相互に類似しているとの事(川島・新里, 2009)。もし解明できれば私たちにも不老不死の未来が・・・。
今後の最新情報に期待したいですね!!
なお京都大学准教授ですが、ベニクラゲを愛しすぎるあまり「ベニクラゲ音頭」と言う歌まで作っておられます!面白いのでこちらも是非お聞きください!!
→http://www.benikurageman.com/jp/cd_benikurage.htm
それではまた次の投稿でお会いしましょう♪
PS:今の季節ですと北日本型ではありますが、東北地方にてベニクラゲが大量に見られるとのこと。
この機会にクラゲワールドの深淵へと足を運びませんか(●´ω`●)?
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